フェアトレード大学認定基準
2014年9月27日策定
2017年9月29日改定
2019年9月30日改定
2021年9月21日改定
基準1. フェアトレードの普及を図る学生団体が存在する。
【指標】
(1) フェアトレードの普及を図る学生団体(以下、FT普及学生団体と略す。)が大学から公認されている、ないし公認の申請を行っている。
※ 申請制度のない場合は、公認に向けた活動を行っている。
(2) FT普及学生団体に顧問の教員がいる。
※ ここでFT普及学生団体とは、フェアトレードの普及のために学生が自発的、主体的に組織した団体のことを言い、ゼミなど大学側が設けた教学上の組織は含まない(ただし、ゼミなどから派生した学生団体はこの限りではない)。
基準2. フェアトレードの普及活動、並びにフェアトレードに関する研究・教育活動がキャンパス内外で行われている。
【指標】
(1) FT普及学生団体は2年以上にわたって継続的にフェアトレードの普及活動を行っている。
(2) フェアトレードに関する研究・教育活動が推進・推奨されている。
基準3. 大学当局がフェアトレード産品を購入し使用している。
【指標】
大学当局が1年以上にわたって継続的にフェアトレード産品を購入し、使用している、ないし1年以内の購入・使用を計画している。
※ ここでは、一時的にではなく反復して調達していることを「継続的」と見なす。
基準4. 複数のフェアトレード産品がキャンパス内で購入可能となっている。
【指標】
キャンパス内の食堂・売店やカフェなどで、2品目以上のフェアトレード産品(食品・衣類・文具・手工芸品など)が1年以上にわたって継続的に販売され、購入可能となっている。
※ ここでは、1年のうち4カ月以上販売されていることを「継続的」と見なす。
※ フェアトレード産品には、WFTO(世界フェアトレード連盟)加盟団体の産品と認証産品、FI(国際フェアトレードラベル機構)の認証産品、それに普及学生団体が適切と認めるフェアトレード団体の産品が含まれる。
※ フェアトレード産品には、WFTO(世界フェアトレード連盟)加盟団体の産品と認証産品、FI(国際フェアトレードラベル機構)の認証産品、それに普及学生団体が適切と認めるフェアトレード団体の産品が含まれる。
※「適切と認めるフェアトレード団体」とは、少なくとも以下の条件を満たしている団体のことをいう。
a) WFTOの10原則に立って活動している(付属資料1参照)。
b) 事業の透明性が確保されている。
※ここでいう「品目」は、付属資料2の「フェアトレード産品カテゴリー」を指す。
基準5. フェアトレードの理念を支持し、その普及をうたったフェアトレード大学憲章を策定し、FT普及学生団体、学生自治会(ないし学友会などそれに準ずる組織)、大学当局の三者が同憲章に賛同している。
【指標】
(1) 策定されたフェアトレード大学憲章は、フェアトレードの理念を支持し、その普及および推進をうたっている。
(2) 同憲章の策定には学生が主体的に参画している。
(3) 同憲章が大学の理事会あるいは全学教授会、ないし過半数の教授会などの全学的な意思決定機関において承認され、理事長ないし学長が同憲章へのコミットメントを公に表明している。
※ 学生自治会等が存在しない場合は、FT普及学生団体と大学当局の二者が賛同している。
以上
付属資料1:WFTOの10基準
基準1.経済的に不利な立場に置かれた生産者への機会の創出
フェアトレード団体の主要な目的は、貿易を通した貧困削減にある。フェアトレード団体は、疎外された小規模生産者を支援して、貧困状態から自給自足かつ主体性のある状態に移れるようにし、貿易を地域の発展に資するものとするための行動計画を持つ。
基準2.透明性とアカウンタビリティ
フェアトレード団体は、その運営と取引関係を透明にし、全利害関係者に対してアカウンタブルであるとともに、情報の取扱いに十分に配慮する。スタッフやメンバー、生産者などが意思決定プロセスに関与できるようにし、全ての取引相手に情報を提供する。サプライ・チェーンの全段階で、意思疎通のチャンネルを良好かつ開かれたものにする。
基準3.取引慣行
フェアトレード団体は、疎外された小規模生産者の社会・経済・環境面の福祉に配慮して取引する。フェアトレード産品を供給する側は、求められた品質と仕様通りの産品を予定日時までに納品する。購入する側は、確実な支払いをするとともに、要請があれば契約額の50%以上を無利子で前払する。
購入側が注文をキャンセルする場合は、事前に供給側と話し合い、供給側に過失がないままキャンセルした場合は適切な補償をする。供給側の納品に問題があった場合は、購入側と話し合い、数量や品質が納品書と合致しない場合は補償する。
フェアトレード団体は、連帯・信頼・相互尊重に基づいた長期的な関係を維持するとともに、生産者の収入が向上するよう取引量を増やし、産品の価値・多様性を向上させる。また、他の団体と協働し、不公正な競争を行わず、他団体のデザインを許可なく真似たりしない。
基準4.公正な価格の支払い
公正な価格とは、全当事者が参加と対話を通じて合意した価格であり、生産者への公正な支払いを可能とし、かつ市場でも維持可能な価格である。公正な支払いとは、生産者が公正と見なす社会的に受け容れ可能な報酬の支払い、および男女同一労働同一賃金の原則に立った支払いを意味する。フェアトレード産品のマーケティングや輸入を行う組織は、生産者が公正な価格を設定できるよう、必要に応じて生産者の能力強化を支援する。
基準5.児童労働と強制労働
フェアトレード団体は、国連子どもの権利条約や子どもの雇用に関する国内法・地域の法令を遵守する。また、団体のスタッフ、メンバー、在宅労働者が労働を強制されることがないようにする。
フェアトレード産品を購入する団体は、生産にあたって強制労働がないことや、国連子どもの権利条約・関係国内法・地域の法令が守られていることを確保する。生産に児童が関わる場合は、その事実を開示・モニターし、児童の福祉、安全、教育的要請、遊びの必要に悪影響を与えないようにする。
基準6.非差別、公正な男女関係、および結社の自由
フェアトレード団体は、雇用、報酬、研修機会の提供、昇進、解雇・退職に関していかなる差別も行わない。男女にスキルを磨く機会を提供し、空きポストや組織内の指導的地位への女性の応募を促す。妊娠した女性や母乳で育児をする母親特有の健康・安全面のニーズに配慮し、便益の利用に関する決定に女性が全面的に参加できるようにする。全スタッフの労働組合加盟権、団結権、団体交渉権を尊重し、その代表が職場で差別されないようにする。
生産者と直接関わる団体は、女性が男性と同じ報酬を受けられるようにするとともに、女性がその能力に応じた仕事につけるようにする。
基準7.労働条件
フェアトレード団体は、安全かつ健康な労働環境を提供し、安全性・健康・労働時間・労働条件に関するILO条約や国内法、地域の法令を遵守する。購入先の生産者組織の健康や安全の状況を把握するとともに、生産者組織内で健康や安全への意識や健康・安全面の慣行が改善されるよう継続的に努力する。
基準8.能力強化
フェアトレード団体は、疎外された小規模生産者の発展への好影響が増すよう務め、スタッフやメンバーの能力とスキルを発展させる。小規模生産者と直接関わる団体は、生産者の管理運営スキルや生産能力、市場へのアクセス力を向上させる特別の支援を行う。フェアトレード仲介組織から購入する団体は、疎外された生産者に対する支援能力を仲介組織が高められるよう協力する。
基準9.フェアトレードの推進
フェアトレード団体は、フェアトレードへの人々の関心、および世界貿易をより正義に叶ったものにする必要性への人々の関心を高め、フェアトレードの目的や活動を社会に唱導する。顧客に対しては、自らの組織や取り扱い産品、生産者団体とそのメンバーについての情報を提供し、常に誠実な宣伝方法・マーケティング方法を用いる。
基準10.環境
生産者団体は、持続的な供給源からの原材料を最大限利用し、可能な限り地元から調達し、エネルギー消費量の少ない生産技術を用い、温室効果ガスの発生を最小限に抑えた再生可能なエネルギー技術を可能な限り用いる。廃棄物が環境に与える影響を最小化するよう務め、可能な限りオーガニックないし低農薬の生産方法を用いることで、環境への影響を最小化する。
購入ないし輸入側は、持続的な供給源からの原材料を使って生産された、環境への影響が総体として最も少ない産品を優先的に購入する。全フェアトレード団体は、可能な限り再利用可能ないし生物分解性の高い材料を使って包装し、可能な限り海上輸送を使って発送する。
付属資料2: フェアトレード産品カテゴリー
衣料品・雑貨 | カテゴリーNo | ||
衣料品 | 女性用衣料品 | 1 | |
男性用衣料品 | 2 | ||
子ども用衣料品 | 3 | ||
ベビー用衣料品 | 4 | ||
服飾雑貨 | スカーフ・ショール・マフラー | 5 | |
帽子・ベルト・手袋・ソックス | 6 | ||
バッグ・ポーチ・財布 | 7 | ||
履き物(靴・サンダル等) | 8 | ||
アクセサリー | 9 | ||
雑貨 | 収納・バスケット | 10 | |
インテリア小物 | 11 | ||
キッチン用品 | 12 | ||
バス用品(浴用) | 13 | ||
アロマ・キャンドル | 14 | ||
化粧品 | 15 | ||
寝具 | 16 | ||
玩具 | 17 | ||
楽器 | 18 | ||
はがき・カード・レターセット | 19 | ||
その他 | 39 | ||
食品 | |||
カカオ(チョコレート) | 40 | ||
コーヒー | 41 | ||
紅茶 | 42 | ||
バナナ | 43 | ||
果物(バナナ以外) | 44 | ||
ドライフルーツ | 45 | ||
果汁 | 46 | ||
野菜 | 47 | ||
砂糖・塩 | 48 | ||
ナッツ・オイルシード(オリーブオイルを含む) | 49 | ||
はちみつ | 50 | ||
米・その他雑穀 | 51 | ||
大豆・豆類(とその製品) | 52 | ||
ハーブ・スパイス類 | 53 | ||
アルコール(ワイン、ビール等) | 54 | ||
海産物 | 55 | ||
その他の食品 | 79 | ||
その他 | |||
花・観葉植物 | 80 | ||
木製品 | 81 | ||
スポーツ用ボール(サッカーボール等) | 82 | ||
その他 | 99 |