逗子開成中学校・高等学校 逗子活性化プロジェクト

 所在地 : 神奈川県逗子市

 登録日 : 2023年11月1日

 活動年数 : 7年

 活動メンバーの人数 : 39人

 団体の活動理念・目的

 本校は週5日制の学校ですが、土曜日には任意選択の「土曜講座」という授業があります。多様な土曜講座の一つとして『逗子活性化プロジェクト』が生まれたのは2016年、“逗子の街を活性化しよう”をテーマに掲げ、調べ、考え、行動しようという講座としてスタートしました。やがて、逗子市が2016年7月に日本で3番目のフェアトレードタウンに認定されていたことを知り、本校がフェアトレードに取り組めば、逗子活性化に貢献できると考え、2017年度からフェアトレードを中心に据えた活動を始めました。「土曜講座」の活動なので、毎年4月に受講者を募集します。中1~高3まで誰でも受講できるので学年を超えて多様なメンバーが集まります。6年間、毎年受講する生徒も増えました。「学ぶ・伝える・売る・広げる」という4つの活動を柱に据えています。フェアトレードや世界が抱える問題を学び、学んだことを文化祭で発信し、フェアトレード商品の販売活動を行い、校内でフェアトレードを広めています。フェアトレードは中高生が世界を知る窓口になる、と考え、ここ3年ほどは「逗子開成をフェアトレードスクールにしよう!」という標語を掲げ活動しています。

 フェアトレードに関する取組

 年度ごとに、まず「学ぶ」ことから始めます。フェアトレードや児童労働について、外部講師や卒業生(大学生)に話しを聞いたり、開発教育等の教材を使ってワークショップを行ったりします。2019年にアフリカ開発会議が横浜で開かれた時はセミナーに参加しました。フェアトレードの普及状況調査のためのフィールドワークを行った年もあります。土曜の午前を3回ほど使って学習活動を行った上で、10月下旬に行われる文化祭に向けて準備活動をしていきます。
 「伝える」は文化祭で力を入れて行います。その年に学んだことを中心に、フェアトレードと「フェアトレードタウン逗子」の紹介や、児童労働の問題などを展示したり、「フェアトレードすごろく」を作って遊びながらフェアトレードを知ってもらったりします。動画を作って活動紹介もしています。文化祭で「売る」主力商品は、地元「逗子フェアトレードタウンの会」が開発したオリジナル商品「逗子珈琲」(ドリップパック)です。「NPO法人シャプラニールの会」からバングラデシュ&ネパールの手工芸品を取り寄せ委託販売も例年行っています(毎年完売!)。九鬼産業さんの「フェアトレードいりごま白」も定番商品です。コロナ期間は控えていた食品の販売を2023年秋から再開、チョコレートやドライマンゴーなども販売しました。
 さらにここ2~3年の間に、文化祭だけでなく5月のオープンキャンパスや11月の学校説明会に来校される、本校受験生+保護者を対象に販売活動を行い、学校外にも「広める」活動に取り組んでいます。
 なお、販売活動を行う際には「利益」が生じるように価格設定します。この利益は、「世界の子どもを児童労働から守るNGO・ACE」に寄付しています。
生徒の発案で活動が膨らむときもありました。2021年度には古着を集めアフリカに送る(「わかちあいプロジェクト」主催)に参加しました。多くの生徒が古着や寄付を寄せてくれました。
 また、生徒の発案で、パンの自動販売機の一角に「フェアトレードマンゴー」を置かせてもらい日常的にフェアトレード商品を購入できるようにしたこともあります。これはその後、機械の不具合があり、校内でパンを販売している業者に委託して販売を行うようになりましたが、コロナ禍で中止しました。
 地元「逗子フェアトレードタウンの会」が行い啓発イベントに生徒が参加し、本校の活動紹介のプレゼンを行ったこともあります。

 取組の成果

 以上のような取り組みを進める中で、本校の学生食堂が協力してくれるようになり、フェアトレード食材を用いたメニューを提供してくれるようになりました。毎年オリジナルメニューを考えてくれて、5月のフェアトレード月間や文化祭の時などにフェアトレードメニューを提供してくれています。
 2017年度から文化祭で販売活動を行い、回を重ねるごとにフェアトレードへの認知度の高まりを感じます。活動を継続的に行ってきたことで、全校生徒がフェアトレードという言葉を耳にしていると思います。文化祭に毎年来る保護者が商品購入のリピーターになってくれているのもわかります。生徒も説明が上手になりました。動画を積極的に作ってくれる生徒もいます。逗子フェアトレードタウンとの協力関係もしっかりできています。生徒が会に出向きプレゼンをしたり、会の方に講師として来ていただいたり、双方向の活動ができています。

 今後の目標

 今後の目標は「逗子開成はフェアトレードスクール」という“看板”を掲げ続け、活動が末永く続いていくことです。長年にわたり「土曜講座」を運営してきた担当教員から、若い世代の教員にバトンを渡し「フェアトレードスクール」と名乗れるような活動を続けていけるように態勢を整えていくことが目下の課題です。
 逗子の様々な人々とつながり、フェアトレードタウン逗子にある学校として誇らしい活動をしていきたいです。さらに同様の取り組みをしている学校と交流したり、オリジナル商品の開発などもできればと思っています。フェアトレードを窓口に世界に目を開く、そんな生徒が増えることを願っています。

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