熊本市(熊本県)
2011年6月4日
熊本市国際交流会館にて、アジアかつ日本で初めての
フェアトレードタウン(世界では1000番目)のフェアトレードタウンに認定されました。
(人口:約73万人)

活動テーマ

2021年、フェアトレードシティくまもと(熊本市)は10周年を迎えます。これまでの取り組みによって、フェアトレードを知る市民は増えてきました。(2015年(一社)日本フェアトレード・フォーラムによる「フェアトレードと倫理的消費に関する全国意識調査」にて知名度65%、中高大の教科書にも登場しています)。しかし、実際にエシカル消費としてのフェアトレードを心がけ、お買い物を実践する人はまだ多くありません。10周年を機に、「知っている」から「実践する」まち、「フェアトレードシティくまもと」を目指します。
また、熊本市は、「SDGs未来都市」にも認定されています。フェアトレード、SDGsを実践することは、私たちの生活の質“Quality of Life”を向上させることでもあります。フェアトレードシティくまもととして、多くの人たち(行政、議会、学校、企業、市民団体、市民等)と繋がりながら、より具体的に行動していきます。

認定まで

2000年
4月 NGOフェアトレードくまもと設立(フェアトレード専門店ラブランド内) ※ラブランドは1993年よりオープン

県内外より多くの人々が訪れるフェアトレード専門店ラブランド

2003年
5月 イギリスのフェアトレードタウンを視察(明石祥子)
「アジア初世界で1000番目のフェアトレードシティ熊本市を目指して」をテーマに、年間50回以上のイベントを開催。
特にフェアトレードファッションショーは100回を超えた。

2004年1月フェアトレードファッションショー(写真中央:幸山政史熊本市長(当時))

2005年
12月 熊本市国際交流会館1階に「フェアトレードスチューデントカフェはちどり」を公募により開店。
大学生と留学生 が運営する市民とフェアトレードの交流の場が実現(2014年まで10年間続いた)

フェアトレード・スチューデント・カフェはちどり

2009年
8月 フェアトレードシティ実現のために団体名称を「フェアトレードシティくまもと推進委員会」に変更

2010年
3月 イギリス、ガースタンよりフェアトレードタウン創始者ブルース・クラウザー氏、渡辺龍也氏を迎えてシンポジウム開催
12月 市議会にフェアトレードに関する決議文が提出され、「フェアトレードの理念周知に関する決議」が満場一致で議決。
議会後の記者会見で市長が「私はフェアトレードをずっと応援してきました」と、記者からの質問に答えたことが、後のフェアトレードタウン誕生につながった。
2011年
2月 署名1万人達成、熊本市議会へ提出したことが多くのマスコミに取り上げられた。
6月4日 アジア初、世界で1000番目のフェアトレードシティくまもと認定
記者会見には、県内外の報道機関、各会派の議員が参加し、約200人が集まった。
その後、お祝いパレードを行い、市街地を約100人で練り歩き、市民にフェアトレードシティになったことをアピール、夜には祝賀会を開催した。
翌日、熊本日日新聞の1面と14面にフェアトレードシティくまもとが誕生したことが大きく掲載された。

フェアトレードシティくまもと認定証

フェアトレードシティくまもと誕生 祝賀パレード

世界12か所で同時に開催された1000番目のフェアトレードタウン・キャンペーンの記念写真

イベント一覧

  • 第8回フェアトレードタウン国際会議in熊本
    2014年3月開催
    主催:第8回フェアトレードタウン国際会議in熊本実行委員会
  • 世界フェアトレードデーin熊本(毎年5月)
    2000年~現在
    主催:フェアトレードシティくまもと推進委員会
  • フェアトレードマルシェ(毎年11月開催)
    2016年~現在
    主催:熊本市
  • フェアトレードシティくまもと英語研究会(毎月1回開催)
    2019年5月~現在
    主催:フェアトレードシティくまもと推進委員会
  • アースウィークくまもと出店(毎年4月開催)2009年~2019年
    主催:アースデイ・マーケットくまもと実行委員会
  • YMCAフィランソロピー協会(熊本県内の主な企業が所属)に対してクリスマス、バレンタインデーにフェアトレード産品の社内購入をしてもらっている。(毎年12月、2月)
    2000年~現在
    主催:YMCAフィランソロピー協会
  • その他、熊本県内の主な会館(くまもと県民交流館パレア、熊本市男女共同参画センターはあもにい、熊本市国際交流会館など)が開催するイベントに毎年参加
    ※熊本地震により、2016年頃からイベントは縮小傾向にある。

連携事例

  • フェアトレード・スチューデント・カフェ はちどり(2005年~2014年)
    熊本市国際交流会館に熊本県内の大学生、留学生が運営するカフェを開設し、市民がフェアトレードに親しむ場となりました。
  • フェアトレード・オーガニックコットン・ポロシャツ・プロジェクト(2018年~現在)
    地元の第一紡績(株)とセネガル産のフェアトレードコットンを使ったポロシャツを企画・販売しました。(第一紡績は、国内で初めて繊維製品の製造会社として フェアトレード認証(登録)・ライセンスを取得しています。)
  • 障がい者施設との連携 フェアトレードクッキー(2000年~)
    熊本市の社会福祉法人ライン工房に依頼し、フェアトレードのマスコバド糖やココアを使ったオリジナルクッキーを製造してもらっています。

フェアトレードポロシャツ・プロジェクトチーム

認定の宣言文

熊本宣言

熊本におけるフェアトレード推進の活動は、2000年、イギリス・ガースタングが世界で初めてフェアトレードタウンを宣言した時とほぼ同じころ、市民の手により始まりました。
現在に至るまで、この活動は志ある人々の熱心な活動によって受け継がれ拡がり、やがて行政・議会をも動かす力となり、2011年6月、世界で1000番目、アジアで初めてとなるフェアトレードシティとして認定を受けることとなります。
今回、このフェアトレードシティ認定を契機として、熊本市において、第8回フェアトレードタウン国際会議が開催され、欧米など先進国認定都市の関係者のみならず、アジアやアフリカなどの政府関係者や産品生産者を合わせて、21ヶ国から270余人が参加し、フェアトレードタウン運動の現状と問題点、公正な地域経済社会の構築など、将来に亘る課題を共有しました。
歴史的に見れば、熊本は「苦しむ人を敵味方の区別なく救護する」日本赤十字社発祥の地であり、国籍や生きる環境は違っていても、その生命の大切さを知り、助け合う心、人を人として思いやることのできるDNAが脈々と受け継がれています。
熊本市は、20年以上も続くユニセフ「アフリカ子どもの日in Kumamoto」 などの国際交流・協力への取組みはもとより、「2013国連“生命の水”最優秀賞」を受賞し、世界でも高い評価を受けた、恵まれた地下水を守るための環境保全への取組み、スペシャルオリンピックスやオハイエくまもと「とっておきの音楽祭」等、障がい者支援への取組み、あるいは、地域の資源である竹やろうを活用し、多くのボランティアの参画により運営される「みずあかり」等、イベントを通した賑わいのある地域づくりへの取組みが活発に行われるなど、多くの市民の絆によって、また様々なコミュニティ活動と連携した活動によって、市民力による協働のまちづくりを実践してきた都市です。
このことは、「地場の生産者や店舗、産業の活性化を含め、地域の経済や社会の活力が増し、絆が強まるよう、地産地消やまちづくり、環境活動、障がい者支援等のコミュニティ活動と連携していること」という、フェアトレードシティ認定の日本独自の基準として設けられた、いわゆる「地域活性化への貢献」にも沿うものです。
このようなポテンシャルを持つ熊本市は、「人とひとをつなぐ多様なコミュニティ活動と連携した賢い消費者の選択が、持続可能な社会を創りあげる」という基本的な考えに基づき、フェアトレードの理念を遍く日本へ、アジアへ、そして世界へ積極的に発信していくことを「第8回フェアトレードタウン国際会議in熊本」実行委員会としてここに宣言します。

第8回フェアトレードタウン国際会議in熊本
2014年3月30日
実行委員長 明石祥子

第8回フェアトレードタウン国際会議in熊本 レセプション集合写真

熊本市牧副市長のプレゼンテーション

 

熊本市議会での議決文

「フェアトレード」理念周知に関する決議

グローバル化の進む中、近年TPPをはじめとする自由貿易の台頭が際立っている。
しかしながら、現在の先進国と新興国(発展途上国)間の貿易の構造は、決して公平・公正な状況とはいえず、大きな貧困や環境破壊の原因ともなっている。
たとえば、コーヒー、紅茶、果物など一次産品の取引において、社会的立場の弱い途上国の生産者たちは、生産コストを無視した不当な価格を押し付けられ、そのことが劣悪な労働環境・児童労働をひき起こす要因ともなっている。
フェアトレードとは、公平・公正な貿易と訳され、途上国の生産品(手工芸品や農産物等)を公正な対価で買取り、継続的に輸入販売することで、生産者の自立を支援し貧困問題を解決しようとする手法の一つである。
よって、本市議会は、フェアトレードの団体・企業・個人の商行為等を支援するものではなく、あくまで経済大国の日本国民としての立場で、国際貢献や人権尊重の精神、さらには人道的見地から、執行部に対して、フェアトレードの理念周知に努めるよう切望する。

2010年12月17日
熊本市議会

メッセージ

2021年、フェアトレードシティくまもとは10周年を迎えます。
2016年の熊本地震、その後のフェアトレードシティくまもと推進委員会事務局の火災と、認定後10年の約半分は災害に遭っていました。災害を乗り越え、次の10年へと歩みを進めていきます。
10周年の前祝いに、全国、世界のフェアトレードタウンからのお祝いの動画をいただきました!ご協力くださったみなさま、ありがとうございました。ぜひご覧ください。
☆YouTube公式チャンネル フェアトレードシティくまもと推進委員会

大西一史熊本市長とフェアトレードバナナスーツを着た 代表 明石祥子(2019年2月熊本マラソンにて)

熊本市のフェアトレードタウン担当窓口

熊本市国際課
https://www.city.kumamoto.jp/hpKiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=17713&class_set_id=2&class_id=69

タウンを維持推進する市民団体

フェアトレードシティくまもと推進委員会
公式Instagram https://www.instagram.com/fairtradecity.kumamoto/