生産者と消費者とが連携して戦後すぐに始まった産直運動が国内フェアトレードの一つの流れをなしています。当初は、酪農組合と生協とが連携することで生産者にも応分の利益を分配するとともに、消費者に安価な牛乳を供給してきました。

 

高度経済成長が一段落してくると、消費者の中で安全・安心な食への希求が強くなっていきます。そういったニーズの変化に伴って、産直運動は安価なモノの供給から、安全・安心な少し高価なモノの供給へと変貌を遂げてきます。大規模化していった生協に代わって小規模な消費者グループが産直運動の核となって今に至ります。

 

近年の傾向としては、地域版の産直運動の担い手として農産物や水産物の直売所が全国各地に作られています。産直運動も直売所も、従来型の流通と比較して、生産者がより強い価格決定権を持っているのが特長と言えます。